子供を育てるということとは?
漫画家の吉村明美さんをご存知の方もいらっしゃるのではないかと思います。
この方の作品の一つに「海よりも深く」というのがあります。
この話の中で登場人物の一人に
「自分を母親の育て直しのように育てられた娘」
という女性が登場します。
そして、見事なまでに子供の「成長」を如何に妨げてしまったのかが、描かれています。
少女コミックとして発売されているものですが、描かれている内容は、少女コミックの枠を超えた素晴らしいものです。
母親にとって娘は、自分の分身とも言える存在です。
そのため、必ず娘の中に母親の要素を持たせていると言います。
そして、娘はそれに気づき、母親へのストレスを感じてしまうと言うことです。
ですが同時に子育ての責任を母親だけに責任を押し付けたり、現実から逃げても解決しません。
先に挙げた「海よりも深く」は、そのことを描いたものです。
「こんな子に育って欲しい」と親は誰でも子どもを育てるときに理想を持っています。
だから子どもの名前には、理想を顕著に示すものが込められていると言っていいでしょう。
ですが、それは時にたいへん歪んだものである場合があります。
これは、大変強いストレスを生んでしまいます。
親、子供共にそうなります。
子育ての中で最も大切なことは、子供を巣立たさせることです。
人は、ひとりでは生きていけないものですが、人に依存しながら生きていくのは、かえって歪んでしまいます。
自立して人から支えられ、また人を支えながら生きるようになるのです。
お互いに無理する必要はありません。
親自身が自立した存在であれば、親を見て育つ子どもは必ず学んでいくものですね。